鬱になれる短編集

今まで。
親友にとって経験のない、それであったから手順など無茶苦茶であった。

息が荒くなる。
胸をはだけ。
肌を重ねる。

――純粋な下等生物ならそのまま気付かなかったであろう。しかし親友はプロだ。幼い頃からの経験と勘から察知する。廃墟の五階からわずかに感じ取った殺気。

敵だ。