土方が旧幕府軍の先鋒軍の参謀に推薦されたのは桜の咲き乱れる春だった。 夜半、今日は満月だった。隊士は皆眠っている。 土方は自室で物思いに耽っていた。 「土方さん―‐」 美桜だった。 土「まだ寝てないのか」 「はい、すいません」 土方は優しそうな顔をしていた。 土「次の戦が近い。お前も休め」 その言葉が嬉しくて美桜は土方の命令を素直に受け止めた。 「失礼します」