桜幸恋華


「君が白神美桜?」

「そうですが…」

「やっと会えた。我妹。」

彼の言葉に美桜はハッとした。
「兄様なの?」

「あぁ、そうだ。私の名は白神桜鬼。」

「…」

「お前を迎えに来た。」

「えっ…」

「お前はここにいてはいけない。いつ滅びるか分からない幕府についていくことはない」

「あの人たちは私を必要としてくれてる…」

「実の兄より幕府の犬についていくのか」

「あの人達を…あの人を守ると誓った」

「なぜ僕についてきてくれないんだ…」


そう言うと桜鬼は美桜に刀を向けた。

「ついてこないと言うならここで殺してしまうよ」

「…」

「お願いだ。ついてくるといってくれ。」

「嫌です」

彼は寂しそうに刀を振り上げた。美桜は目をつぶって刀が降りるのを待っていた。