真っ直ぐに立って
壁に手を伸ばす

掌を大きく広げて
壁に手を付いてみる

俺のこの腕の長さ
それが壁までの距離


瞳を静かに閉じる
掌でのみ感じる『距離感』

少し壁から手を離す
少し壁から後退りする

途端に不安定な『距離感』
これが夢までの『距離感』だ


すぐ側にあるのか……
まだまだ先にあるのか……

瞳は未来は見えやしない
届かぬ物と掌の間の空間

この空間が生きる時間?
この空間が生きる意味?


俺にはまだまだ
ずっと先に感じる

いや、そもそも手を伸ばし
掴みたい物等あるんだろうか

永遠にも感じる『距離感』
瞳を閉じ、四方八方空間だ

空間にただ浮かぶ
瞳を閉じた俺が漂う……


もはや、上下すら

今はわからない空間





笑夜