凜の護衛であるシンは、その凜に付き合って畑仕事を手伝っているのだ。


それも、凄まじい量の仕事を一日でこなす。

一体どう動かしたらそんなにも正確に鍬を降り下ろすことができるのか、と羨ましく思うくらいに美しく田畑を耕し。

その細い身のどこにそんな力があるのか、と目を見張るほどに、重い肥料を幾つも持ち上げ運び。


それら全て、自分のノルマをこなせば、次は凜の手伝いをしてくれるのだ。


結果として、凜がどんなに仕事が遅くとも、シンが全て穴埋めをするどころか速く終わらせてしまう。


「……?なんだ、何故此方を見る」


案の定、肥料を畑の近くにある置き場に全て運び終えたらしいシンは、凜達の元へ近付きつつ首を傾げ。

己を見る凜と、妙とを交互に見るのだ。