結果として、田畑に種を巻き優しく土を掛けてやる、そんな仕事。

自分よりも歳の行く者が重いものを持っていると言うのに、なんという有り様か――………否、それだけでも現代っ子である凜には辛いことであると言うのだから。


「なぁに言ってるんだい、そんなこと気にしなくていいんだよ!」


「わっ」


近くに寄ってきた妙に背中を強く叩かれ、凜は大事な種を幾つか溢してしまう。


「た、た、種が……!」


「だーから良いって、んなもん」


狼狽える凜を高らかに笑い飛ばした温厚そうなおばさんは、それに、と言葉を続けつつ視線を畑の横へと反らして。


「あ……」


それをたどり、先に見えた人物に凜は小さな声を漏らした。


「あんたがここにいるだけでシンが手伝ってくれるからねえ、いつもの倍くらいの速さで仕事が進むよ。寧ろありがたいことだよ」