職員室前に行くと、そこには先生が
「え~とっ、先生…」
「あ、桜田に渡したい物があってな。」
ハイ。と渡されたものは生徒手帳だった。
私はびっくりして
中身をみると、確かに私のだった。
「いつおとしたのかな?」
私は考えながら、一度、先生に尋ねてみた。
「これ誰が拾ってくれたんですか?」
先生は考えるフリをして
「名前だけなんだがな…たしか‘ゆうと’だったかな?」
私は一瞬、耳を疑った。
「先生!!木下 ゆうとですか!!?」
先生はびくりとすると「忘れた。」と言った。
私は「ありがとうございます。」と言い
屋上に戻った。
でもどうして…戻ってきた?
たまたま同じ名前だったのかな…
わかんないなぁ…
「なんかあった?」
私の顔をのぞきながら
眉をさげている光。
何でもないよ。と応えると
そっか。と光は笑顔で返してくれた。

