「やっぱり、やーめたっ」

シャーペンを筆箱にいれるゆうとくん。


「ちゃんと、やりなよ~」

あきれながら私が言う。





「守は?決まったの?」

光が言う。





「俺…親父のあとつがなきゃ」


親父のあと…?


「ぁ~そういやっ、お前んとこ創業30年だっけな?」


ゆうとくんは目を輝かせながら言う。


「守も大変ねぇ~」





まったく話についていけない私。



「ぁ…あのっ」
私は言う。


皆が私をみる。


「親父のあととか…創業30年とか…それ何なんですか?」



光が変わりに答えてくれるようで



「守のとこは、昔から寿司屋さんをやってて、ずっと、続いてる場所なの。

それを引き継ぐのが守ってわけ。」



私はなるほど~と……

「たべたいな…」

それと、同時についもれてしまった。





「あっ!」



と、守さんが。

「今度、遊びにおいでよっ」
守さんが言う。


私は、ハイ!と






でも、ゆうとくんは…


「俺は…ホームパーティーやりたい。」

皆で驚く。






守さんは…


「いーよ、それやろう。」



「やたぁぁぁ♪」


…ぇ?



今の声…ゆうとくんじゃなぃ……








私でもなく…守さんでもない。

















光だった。

「ふふ♪」

「お前はどんだけ、喜んでんだ。」


なぜか、私には


いつにも増して、二人が幸せそうに見えた。



…なんか、あったのかな?









よく、私にはわからなかった。



「じゃ、日時予定はメールで」


守さんが言う。






「了解。」


光と私が、言う。


その時ゆうとくんが何かを考えていた事になんて私は気づかなかった。