「う゛う゛ー…」


「なんだよ桃果。唸るなよ」


「だ、だってー…」



玄関前、あたしは足を踏み出せずにいた



今日は試験当日



あたしのこれからの人生がかかっているのです




「んなに緊張するなよ。教育学部だろ?余裕だって」



家まで迎えに来てくれた藍斗くんは、


マフラーの下から余裕しゃくしゃくな笑みを覗かせている