花屋のアルバイトをしていた時だった。
また現れたのだ。
あの、嫌な言い方をして八つ当たりをしてくる主婦が。
いつものように小さな子を抱いて。
私が作ったパック花をジッと見ている。
買うのか買わないのか...。
私から近寄るのは止めておこう。
見ているだけでも、あの人の気持ちが晴れるなら...。
私は知らん顔でバケツに水を汲んでいた。
「これ、ください」
「はい、いらっしゃいませ」
今日は何を言われるやら。
「お花に囲まれて、良いお仕事ね。キレイなお花に可愛い店員さんか...」
ほらほら、はじまった。
「そんな事ないですよ。手荒れもしますし結構重労働なんですよ」
キレイや可愛いだけで、仕事はやれませんよ。
「私は事務職しかしたことがないから、体力はないし、とうてい花屋は無理ね...」
じゃあ、言うなよ。
「お花が好きなら、できますよ。お花好きですか?」
「そうね、水をあげたら黙って育つから可愛いわ」
「手を欠けたか欠けなかったかが、よく分かりますもんね。素直で可愛いです」
私が笑顔で言うと、
「水を与えすぎると鉢物なんか特に、根腐れするらしいわね」
その主婦は珍しく、否定しずに私の話に答えた。
また現れたのだ。
あの、嫌な言い方をして八つ当たりをしてくる主婦が。
いつものように小さな子を抱いて。
私が作ったパック花をジッと見ている。
買うのか買わないのか...。
私から近寄るのは止めておこう。
見ているだけでも、あの人の気持ちが晴れるなら...。
私は知らん顔でバケツに水を汲んでいた。
「これ、ください」
「はい、いらっしゃいませ」
今日は何を言われるやら。
「お花に囲まれて、良いお仕事ね。キレイなお花に可愛い店員さんか...」
ほらほら、はじまった。
「そんな事ないですよ。手荒れもしますし結構重労働なんですよ」
キレイや可愛いだけで、仕事はやれませんよ。
「私は事務職しかしたことがないから、体力はないし、とうてい花屋は無理ね...」
じゃあ、言うなよ。
「お花が好きなら、できますよ。お花好きですか?」
「そうね、水をあげたら黙って育つから可愛いわ」
「手を欠けたか欠けなかったかが、よく分かりますもんね。素直で可愛いです」
私が笑顔で言うと、
「水を与えすぎると鉢物なんか特に、根腐れするらしいわね」
その主婦は珍しく、否定しずに私の話に答えた。