胸に刻んで



お願いだから


これ以上かき乱さないで。


これ以上好きにさせないでよ。




「ん? 玖実……もしかして泣いてる?」




やばい。声が震えていたこと気づかれたかも。




「えー、泣いてなんかないよ?どしたのいきなりー。変な巧ちゃん」 




笑い飛ばすか、ここは。


お得意の作り笑い。




「じゃあまた学校でね」




手を振って巧平の横を通り過ぎる。




「おう。気をつけてな」




好き。

心の中で君にそう言った。