私はその時、気付くはずも無かった。 南海ちゃんと理香子ちゃんが辛そうな顔をして『ある日』のことを思い出していること。 詩歌ちゃんが泣きながら私の病室の前で『ある人』の名前を呼んでること。 奏君が1人の『ある少女』の写真を見つめていること。 ーーーそして、この気持ちが『恋』だということ。