奏君が私を運んでくれたんだ。 本当、お世話になってばっかりだな。 奏君のことを考えていたら、胸がドキドキしていた。 そういえばあの時、虚ろな意識の中で 必死な顔で一生懸命に走っていた奏君がボヤけて見えた。 その姿を思い出すとドキドキしていた胸の鼓動がいっそうに速くなった。 ドキドキ、ドキドキ 止まらない鼓動、初めて感じる温かい気持ち。