オレが聞くと雪崎はうーん、と考え始めた。



「どうしようかなぁ・・・
定番は遊園地とか映画だよね。
でも私、遊園地だったら絶叫系乗れないし・・・」



雪崎がひとり言のようにブツブツと呟く。

こんな無邪気な雪崎を見たのが初めてでつい笑ってしまった。

声を押し殺して笑った。



「もう!笑う事無いじゃん!だって初デートなんだから・・・・」



雪崎が小さな拳を作ってオレの胸を叩いてきた。



「そう怒るなって、な?」



雪崎の両手首を掴んで優しく笑いかける。



するとケロリと雪崎の機嫌がよくなった。



「それでどこ行く?雪崎の行きたい所でいいよ」