「今日も朝練サボり?」



「バカッ!ちゃんとやって来たから。
オレ結構頑張ってんだぜ?」



「はいはい」





笑いながら雪崎は言った。


雪崎は目立つのが嫌いらしいから
クラスの皆には付き合ってることは内緒。

知ってるのはオレの親友のスズケンぐらい。


教室でも誰も居ない朝のこの時間とお昼のお弁当の時ぐらいしか話さない。

オレはみんなに言ってもいいと思ったんだけど雪崎がそれでいいならいっか。



「秋野くん。あのね・・・」



雪崎がおずおずと言いづらそうな様子で問いかける。



「ん?」



「明日の朝は心音の所に行こうと思うの。だから・・・」



「わかってる。明日はこの時間に来れないんでしょ?」


雪崎はコクリとうなずいた。


雪崎の頭をポン、ポン、と優しく叩いた。