「大丈夫だって。
雪崎の親友は心音さんだけなんだろ?
心音さんが治ることを雪崎が信じないで誰が信じるんだよ?」


オレは気がついたら雪崎を抱き締めていた。

雪崎が消えてしまわないように・・・・


「でも・・・・」



「大丈夫だって。心音さんだってちゃんと雪崎の事分かってるよ」


雪崎はそれ以降しゃべらなかった。
オレは雪崎を抱き締めて・・・・


どれくらい時間が経っただろう。


ずっと無言のまま抱き合っていた。


すると突然、雪崎の胸ポケットに入っていた携帯が震えた。

お互い、我に返って身体を離す。


雪崎は電話に出ると背を向けて話し出した。