「雪崎さ今日来るの遅いじゃん。寝坊でもしたのか?」


「まさか。秋野くんじゃあるまいし」


冗談も踏まえながらも秋野くんとはスムーズに会話することが最近できている。


思いはまだ伝えないつもり。

私なんかが秋野くんの彼女になるなんて申し訳ないから。

話したり見たりできるだけで幸せなんだ。


すぐにチャイムが鳴り先生が入ってきた。


今朝の心音との出来事は胸の片隅にはあった。

けど「あとで謝ろう」と思い自分の中では完結していた。


5時間目と6時間目の間の休み時間の事だった。

6時間目は家庭科で視聴覚室でビデオを見ることになっていた。

視聴覚室までの道のりを1人で歩いていると胸ポケットに入れていた携帯が震えていた。