もしかして、この子の名前覚えてないの気付かれた?!
「べっ別に覚えてるから!前の席の人の名前ぐらい!!」
あわてて否定する。いや、覚えてなかったのは本当だけどやっぱり失礼じゃん?
「いいよ、無理しなくて。私、存在感無い方だし」
雪崎が寂しそうに笑う。
「ご、ごめん・・・」
そこから会話が続かなかった。
「・・・・・」
「・・・・・」
この沈黙を破ったのはオレだった。
「あーーーーーーーーーーーーー!!!」
課題やるのすっかり忘れてた!
自分で考えてやってたらもう間に合わない。
ふと、雪崎を見るとキョトンとした顔でオレの顔を見つめていた。
そんな顔で見てくるのも無理ないよ・・・・
だってオレ突然叫んだわけだし・・・・・
もう、こうなったら雪崎に見せてもらうしかない!
「雪崎!」
「はっ、はい!」

