それでも好きだよ。

私の視線に気付いた鈴加はすぐに笑顔に戻る。
でも目が笑っていない。


「じゃ、ウチラ先戻るね」


それだけ言って奈緒美と瑠奈と鈴加はさっさと行ってしまった。



私と萩本くんは心音を抱えて保健室へと向かう。
あ、そういえばお礼言って無かったな。

「萩本くんありがと。受け止めてくれたから心音無傷ですんだよ」

私が笑顔で言う。
あの頃は普通に笑えてたなぁ・・・・


「大丈夫。これくらい男として当然だよ」

萩本くんも笑顔になる。


「ホントにありがとう。」


もう一度お礼を言う。


「それよりさ・・・笹谷って身体弱いの?いつも体育とか休んでるじゃん」


笹谷とは心音の名字だ。


「ちょっとね。」


さすがに本当の事は言えない。


「雪崎さんって友達思いなんだね。」


「心音は特別だから」


心音は私の親友だから。心音が大好きだから。