「もう大丈夫ですよ。
受付で退院手続きしてください」


沙菜が笑顔で言うと児童の親は頭を下げた、


「ありがとうございました。

本当にお世話になりました」


沙菜はニコッと児童に向かって笑いかけ頭を撫でた。


「これからは体調悪くなる前に水分取るんだよ」


沙菜はそう言って病室を出た。


「今日と明日はゆっくり休んで。

明後日から学校へまた登校してきな!

クラスのみんな心配してたぞ~」


オレも児童に笑いかけた。

保険医とオレは「学校へ戻ります」と母親に声を掛け、病室を出た。


オレは沙菜を探すために「トイレへ行く」と嘘をついた。


病院内を探し回ると丁度診察室に入っていく途中だった。


「ちょっと待って!」


慌てて沙菜の腕を掴んだ。