そして仲の良かった保健室の先生に電話したらすべてを教えてくれた。

いじめの事

かばってくれた人に裏切られた事。

自殺未遂の事。

いじめはなくなったけど笑えなくなった事。

私はいじめをしてた人も見て見ぬふりしてた人も許せなかった。

でも一番許せないのはそれに気付けない自分だった。

本当は沙菜の口から打ち明けてほしかった。


沙菜の作り笑顔を見ると悲しくなった。
もどかしくなった。

どうして何も出来ないんだろうって。

高校に入学して進路が別れた。

高校入っても沙菜の笑顔が戻らなくて友達もできないようだった。

写真部に入った沙菜は私の知らない景色をたくさん見せてくれた。


いつも2人で見に行ってた展覧会。

高2の春、「一緒に行きたい人がいるの」って言われたからビックリした。

それが秋野光真くんだった。
秋野くんを一目見て思ったの。

この人は沙菜が好きで沙菜もこの人が好きなんだって。

この人なら沙菜を元の笑顔に戻してくれるだろうなって。

それで私、秋野くんに話したの。

沙菜の中学の事。ゴメンね?

そしたら彼は「雪崎はオレが護る」って言ってくれたの。
嬉しかった。