次の日は半休をもともと取っていたためすぐに帰れた。

午後から何をしようかな、なんて考えていたらポケットの携帯が鳴りだした。


画面には懐かしい人の名前があった。


「もしもし」


『もしもし、沙菜ちゃん?
午後から予定あるかしら?
渡したいものがあるんだけど…』


心音のお母さんだ。


「はい。
午後は丁度、半休取ってたので」


『じゃあ、
3時に喫茶店でいいかしら?』


「はい」


心音の命日と誕生日は心音のお墓参りに行ってるから心音のお母さんとはちょくちょく会っている。


数時間後、私は地元の喫茶店にいた。


「お久しぶりです」


ペコッと頭を下げて椅子に座った。


「あの、渡したいものってなんですか?」


私が言うとおばさんはカバンから封筒を取り出した。