熱を測ると38℃だった。


「じゃあ点滴しましょうか。
念の為、1日入院したほうがいいかもしれません。
受付で入院手続きをお願いします」


ふと、顔を上げるとそこには懐かしい顔がいた。

一瞬だけ目が合うもすぐに逸らした。



コウだ。


4年も経ってずっと大人になったけど間違いない。


病室で点滴をして私たちはそっと部屋から出た。


「…久しぶり。元気?」


コウが聞いてきた。
向こうもわかったんだ私だって。

私はコウと別れてから髪をショートにして茶髪に染めた。

もし偶然見かけても見た目でばれないように。
そしてコウへの思いを断ち切るために。


「うん」


私は頷いて自分からは話さなかった。


「今日、仕事終わるの何時?
ちゃんと…話したい」


話す?
何を今さら?