それでも好きだよ。

「全然。オレが早く来ただけだから」



オレが言うと沙菜はホッとした顔になった。


「ねぇ、今日どこいくの?
レストランの予約時間までまだあるでしょ?」


オレのTシャツの袖を掴んで上目づかいで尋ねてきた。

あーもう本当に可愛い。

ここに人がいなかったら絶対抱きしめてるよ。



「ちょっとね」



それだけ言って手を繋ぎ歩き出した。



数十分後、オレ達はアクセサリーショップにいた。

ペアリングを買うために。

大学の友達が結構持ってる奴多くてあげたら喜ぶのかなって。



「あ、あれ可愛いね」



沙菜が指差したのはシンプルな作りのペアリング。



「いいんじゃない?あれにしようか」


店員を呼び止めサイズを出してもらう。