それでも好きだよ。

そっと紙を開くと『合格』の2文字が見えた。



「よっしゃーーーー!!!」



その場でガッツポーズをして家を飛び出した。

沙菜の家の前まで自転車をとばして向かった。


彼女がオレにしたように同じ事をしたかったのだ。


沙菜の携帯に電話を掛けるとワンコールですぐ繫がった。


『もしもし!?』


耳が痛くなるような声が聞こえた。



「オレ!外、出てみて!」



それだけ言って電話を切った。

その約10秒後、沙菜が玄関から出てきた。



「コウ!どうだった?」



「まぁ、そう焦るなって」



早く早く、と言わんばかりに沙菜が言ってきた。

茶封筒から紙を取り出し天に掲げた。



「どんなもんだーー!!」



「わーー合格?!おめでとう!
て、いうか私にも紙見せて!!」