それでも好きだよ。

図書館デート当日。
駅の広場で沙菜を待っていた。


「コウ!」


沙菜の声がして振り向く。
駅の入り口で大きく手を振った沙菜が駆け寄ってきた。



「行こっか!」


「うん!」


手をつなぎ図書館へ向かった。


図書館では大きいテーブルが2,3台と仕切られた集中したい時には持って来いっぽい個室が何個も並んでいた。

平日と言うこともあって人がほとんど居ない。

大きいテーブルに座ると沙菜も隣に座ってきた。

早速、参考書とノートを開いて勉強を始めた。


1時間後。

オレは難しい応用問題につまずいていた。

5分ぐらい悩んで分からなかった為、沙菜に助けを求めることにした。



「沙菜!ここちょっと教えてくれない?」


シャーペンで肘を突き、沙菜を呼んだ。



「えっとねぇ・・・ここは・・・」


沙菜先生の解説が始まった。