それでも好きだよ。

「あったね、そんな事。まさか見せてくれたお礼があんな事だとは思わなかった」


オレも一緒になって笑った。


「私も。まさか1年後ずっと片思いしてたコウの彼女になってるなんて思わなかったよ」


「え?!片思いしてたの?」


オレが告白した時に心が動いただけなのかと思ってた。



「してたよ。1年の冬の時から。廊下でぶつかった事覚えてない?」



そんな事あったような、なかったような・・・・



「ゴメン。全然覚えてないや」



頭を掻きながら謝った。



「まぁ、いいよ。私、影薄いほうだったし」


少し寂しそうに笑った。

オレは何度もゴメンって謝ることしか出来なかった。



「と、とにかく9時に駅で!」


沙菜がニコッと笑いつられてオレも笑った。