「じゃあ、今度一緒に勉強しようか!」
「へ?!」
沙菜の突然の提案に思わず変な声が出てしまった。
「来週の水曜日。創立記念日で学校休みでしょ?
その日、学校の近くの図書館でやらない?」
いつもテストが学年で5位以内に入っている沙菜に教えてもらえるなんてありがたいことだ。
「行く!楽しみにしてる」
その場で即返事をした。
「じゃあ、9時に駅の所でいい?」
「うん!」
オレは何度も頷いた。
すると沙菜がフフフッと笑った。
「何か、1年前の事思い出すね」
「1年前?」
「そう。私がコウに課題見せたお礼に写真館一緒に見に来て欲しいって」
そのことか。
あの日は沙菜と初めて会話した日だ。

