そして、最近1人になるといつも思い出すことがある。


10日程前、心音の母親から聞かされた真実。



『心音の病気は、ずっと治らないの。
まだ新しいらしくて治す薬がない。
進行を遅らせることしか出来ない』



おばさんは小さい子に言い聞かせるような口調で告げた。



『だからね、心音の心臓はいつかは止まってしまうの。



それが明日なのか、1年後なのか、10年後なのか分からないけど確実に皆よりは早く居なくなる』



私はあの時涙が出た。

心音が死ぬなんて考えたことも無かったから。
病気は今でも進行している。



怖い。




だけどその言葉は口にしてはいけない。

心音が一番怖いはずだから。