それからの俺は、目の前の麻美ちゃんに翻弄されっぱなしだ。 惚れた弱み……というやつだろうか。 麻美ちゃんのやることなすこと、俺にドキドキの瞬間を与えてくれる。 嬉しいときもあれば、ガッカリさせられるときも……。 まさに〈天国と地獄〉だ。 ――あの日… 駅前で会った男の正体を知ったときは、腰を抜かしそうになった。