「えー、まさか、本気にしたの?冗談だよ、冗談!そんなに驚くと思わなかったから……ごめんね」
謝っているつもりなのか、やたらと励ます麻美ちゃんだけれど、それが却って、俺の心を苦しめた。
つまり……
それって、俺が下手ってことか?
そりゃあ、ねぇよ。
この日のために、さんざん雑誌を読み漁って勉強したんだからさ。
経験不足、ってことか?
マジで凹む。
うなだれる俺の背中に、後ろから麻美ちゃんがしがみついた。
「麻美ちゃん…?」
小さな声で、でも、はっきりと、俺の耳から心に、麻美ちゃんの声が届いた。
メニュー