少し間があったけど、「分かった」と、ゆっくりドアを開けて、俺を招き入れてくれた。 玄関から仄かに薫る麻美ちゃんの部屋の匂いに、ゴクンと唾を飲み込んだ。 部屋に来るのは二回目のはずなのに、なぜか緊張する。 ――といっても、初めて来たときは、麻美ちゃんが酔っ払ってて担ぎ込んだだけだから。 あれは、カウントできないか。 今日が“初めて”になるのかもしれない。 一旦は消沈しかけた俺の心だったけど、ここへ来て、再浮上!