「――えっ、ここ?」


麻美ちゃんのアパートは、公園から目と鼻の先だった。 


拍子抜けするほど近い距離だった。


心配だから送ってくよ、なんて、カッコつけた俺。


めちゃくちゃカッコ悪い。 


「着いちゃった〜!今日はありがとうね!すごく楽しかった〜♪」


「あぁ。こっちこそ」


「それじゃ〜またメールするね!」


「ちょっと、待って!!」

玄関のドアが閉まるのと、ほぼ同時だった。 


右足をドアに挟みこみ、左手でドアを抉じ開けた。 

「な、にしてるの?」