「でも、よかった」
「えっ、何が?」
「だって、元気になったみたいだから。なんか、食事のあとからソワソワしてたし、さっきは駅前でものすごい怖い顔してたから」
「……あっ!あぁ…」
なんだか、俺の気持ちを見破られてるようで、ものすごく格好悪い。
変な汗が額から流れ出て、心が落ち着かない。
「暑いの?」
「あ、あぁ…」
さっきから、『あ』しか言ってねぇし!情けねぇな、俺。
「ちょっと待ってて!
私、飲み物買ってくる」
走りだそうとした麻美ちゃんを必死で止めた。
「いいよ、いいよ!そんなの俺が買って来るし。
それより、早く麻美ちゃんちに行きたいしさ!」
……しまった。
チラッと麻美ちゃんの顔を覗くと涼しい顔で、言った。
「へぇ、そんなにうちに来たいの?」
「そりゃ、まぁ、その……何ていうか……はい」
「ふ〜ん。やっぱり来たいんだぁ!」


