駅前の商店街を抜け、一本路地に入ると、車や人通りも少なく、とても寂しい通りに出た。
「ねぇ、いつもこんな道、一人で帰ってんの?」
「うん。近道だから」
どう見ても、若い女の子が一人で歩くような道じゃないよな。
外灯はあるものの、変質者にでも遭ったら逃げる場所もない。
車にでも引き連りこまれたら、一貫の終わり。
助けたくても、誰も助けらんねぇよ。
こんだけ可愛い麻美ちゃんだから目立つし、世の中、変な奴も多いからな。
「麻美ちゃん、この道、ヤバいよ!危険すぎ!」
「どうして?大丈夫だよ!私なんて襲う物好きいるわけないし」
笑ってそう話す麻美ちゃんは、自覚がなさすぎだと思う。
もう少し、自分の身の危険を考えてほしいよ。


