俺の彼女




――着いた。 


いつも麻美ちゃんが利用する駅。 


ホームに降り立つと、この時期特有の湿気にムッとした。


額や首が、汗でベトベトして気持ち悪い。 


隣の麻美ちゃんは、というと……そんなの関係ない、とばかりに涼しい顔をしている。 


輪郭の整った麻美ちゃんの横顔は、本当に綺麗だ。


つい、見惚れてしまう。 


そんな甘い空気を一瞬で払い除けたのは、酔っ払いたちの大合唱だった――。