俺は、速攻、「いいよ、いいよ!そんなの気にしないで!」と言ったんだ。


「本当にごめんね」


麻美ちゃんは、何度も申し訳なさそうに謝った。



そんな姿見ていたら、俺が彼女を虐めて泣かしてるみたいな変な錯覚に陥ってさ。


こんな可愛い子、泣かしたらダメだろう、ってもう一人の俺が囁いたんだ。


気付いたら「ねぇ、俺たち付き合わない?」なんて、口走っていた。


彼女の答えは――


「私でよければ、お願いします」って、頬を紅く染めたんだ。


なんて汐らしい子なんだ!

今どき、本当に珍しい。


こうして、俺たちは、正式に付き合うことになったんだ。


でも……これが、そもそもの始まりだったんだ。