「暁?おい、教室、着いたぞ?
―ってお前、顔色悪くね?大丈夫かよ?」

「…えっ?あぁ、大丈夫だよ。」


気がつけば教室の扉の前に居た。
瞬間移動のように感じるのは
考え事に集中しすぎていたからだろう。


「保健室、行くか?」

心配そうに顔を覗き込む、橘。


「いや、ほんとに大丈夫だって。」


一度学校を休むと、
その分を取り戻すのが面倒だから
皆勤賞を狙っているわけではないが、
今まで一度も休んだり、
保健室にお世話になったことも無い。


「おっはよーすっ!こうたろー!」

後ろから橘の友達が来たので
僕は自分の存在を消して教室に入る。


「暁、ちょ、待t「なぁなぁこうたろー、
昨日のドラマ見たか?!」…はぁ、」

「どした?見逃したのか?!
んじゃ今日俺んち来いよー!」


僕が教室に入ったことによって空いた空間を橘の友達が埋める。


2人の会話はまだ続いていたが
この間の模試の解き直しをするため
シャットダウンした。

この時はとても調子が良かったのか
学年でも、全国でも
成績が良かった。


最悪だ。


次の模試で越えなければならない
ハードルはだいぶ高い。