何事かと目を開けるのとほぼ同時に、懐かしい温もりに包まれた。 「っ由美…由美」 目の前の逞しい胸板…そこに顔を埋めて小さく呟く。 「……蓮」 すると一層強くなった腕の力。 「っ良かった…」 蓮は心底安心したように、震えた声で呟いた。 それに反応を見せたいが、蓮の温もりに安心して緊張が解けたのか身体にまったく力が入らない。 ガクッと膝から崩れ落ちながら、辛うじて繋がっていた意識を飛ばした。