「……何の用?」 《ん?無事に終わったかなーと思ってさ》 電話の相手はのんびりとした口調で思ってもないことを口にした。 「そんなことで一々掛けてくるな。今から戻る」 《美味しいお菓子を準備して待ってるよ》 「はいはい。じゃあな」 《うん。待ってるよ…黒猫》 意味深に笑った相手に苛立ちを覚え、一方的に電話を切ると暗い路地へと入った。