太陽とひまわり。







「俺で良かったのか?」



「はい…お義兄さんと歩きたいんです」



「分かった」



「ありがとうございます」



太陽くんをお義兄さんと呼ぶことになった日から1年後。

あたしは30歳になった。



「お前、親いなかったんだな」



「はい。あたしが高校を卒業してすぐに事故に合って両親とも亡くなりました」



今日、あたしは結婚する。

谷口ひまわりから小室ひまわりになる。



「月を幸せにしてくれよ」



「はい。2人で幸せになります」



自らバージンロードを途中まで歩くのを太陽くんに頼んだ。


一瞬驚いた顔をしたけど、太陽くんは了承してくれた。



「ひまわり」



「はい」



谷口ひまわりとして最後の会話。


何も考えずに太陽くんに頼んでいたが、もしかするとこのために太陽くんに頼んだのかもしれない。