なぜか、教室がざわざわし始めた。


「おい、由愛いるか?」


……廊下からするその声を聞いて嫌な予感がした。


由愛って呼び方でこの声、っていったら……



「由愛……呼ばれてるじゃん」


涼花が苦笑いしながら言う。


「あ、あんな人知らないもん」


関わらないって決めたもん、あんな人。


「あ、いた。さっさと返事しろよ」


と、私の席にやってきたのはやっぱり翔希君だった。


「………私にまだ何か用?」


「別に。会いにきただけ」


何よそれ……私は会いたくないのに。


「なんだよ、その顔。俺が会いにきてやったのに」


「会いにこなくていいから!!もう関わらないで下さい」


なんでこの人関わってくるのよーっ!!