授業が始まり、私は先生の声に耳を傾けようとする。


………が、しかし。


全く集中できなーいっ!!!


翔希君のせいだぁ………。
私の前に現れないでほしかった……。
いや、てか私がぶつかって謝りに行こうと、優しい心を持ったのが間違いだったんだ。


あー………もう嫌だ。


「相川、大丈夫?」


大希君が優しく声をかけてくれる。
大希君の顔を見ると、翔希君の顔を思い出してしまう。


あんなヤツの顔なんて……忘れたい。


「いや、あのさっき大希君の双子の弟に会って……双子がいるなんて知らなかったから驚いちゃって……あはは……」


私は笑ってごまかす。


大希君は私の言葉を聞いた瞬間、目を見開いた。


「………翔希に会ったの?」


「う、うん!大希君と顔はそっくりなのに、中身は似てないね」


はぁ……翔希君って残念な人。
大希君みたいな性格だったらもっとモテただろうな。