【翔希サイド】


零夜から決闘のメールがきて、俺は迷わず家を出た。
由愛は俺のこと好きじゃないかもしれないけど……それでも、自分の気持ちと謝罪をしたかったんだ。


零夜はおそらく、由愛のことを本気で好きなのは間違いない。
でも、決闘して負けたのはわざと。
俺と由愛を仲直りさせたかったんだろう。



……だって回し蹴りしたとき、みぞおちを狙っても良かったのに腹の真ん中蹴ってきやがったし。


やっぱり俺、アイツのこと嫌いじゃない。


「翔希君、顔大丈夫?お腹も……」


顔には多少怪我したものの、そこまで大きな怪我はしていない。
お腹もそんなに痛くないし。


「あぁ、大丈夫」


これぐらい大したことねぇ。


「翔希君、ちょっとしゃがんで?」


由愛の言う通り、しゃがんだ。
由愛はカバンをあさると、可愛い絆創膏を取り出し、俺の頬の傷に貼った。


「はい、これで大丈夫!」


ニコッと笑う由愛にドキドキした。


「よし、帰ろう?暗くなっちゃう」


「おう」


そして俺と由愛の幸せな日々が再スタートした。