「翔希、お前の勝ちや」


傷だらけの零夜君が言った。


「翔希君……っ!」


やったぁ!!
翔希君勝ったよ……っ


私の頬を涙が伝う。


「由愛……っ」


「翔希君……っごめんね、私は翔希君のこと大好きだよ……っ。無神経に翔希君の気持ちを踏みにじるようなことしてごめん……っ」


私は翔希君を抱きしめた。
そして自分の気持ちを……ちゃんと伝えた。



「俺も……しょーもないことで妬いて……由愛にイヤな思いさせて……ごめんな。少し頭冷やしてきた。この1週間で由愛に何て言おうかずっと考えてたんだ」


「翔希君……っ」


もう……好きや大好きじゃ足りないぐらい、翔希君が好きで好きで仕方ないよ。


「あーもう、目の前でイチャつくんやめんかいっ!ほな、2人も仲直りしたことやし、俺は帰るわ。じゃあな」


零夜君は拗ねたように屋上を出ていった。