「バーカ、キスするときはな、目ぇ閉じんだよ」


唇を離した翔希君は意地悪な笑みを浮かべて言った。


「しょ、翔希君はそういうの慣れてるかもしんないけどさ……っ、私、キスなんて初めてだもん……っ」


翔希君は私にデコピンした。


「いったぁ……っ」


「俺だってキスなんてしたことねぇーよ。お前が初めて」


「う、ウソ……っ!」


翔希君は絶対モテるし、キスとか絶対慣れてそうだもん!


「ウソじゃねぇーよ。俺の初恋、お前だし」


ウソ……っ


「俺の初めて全部お前にやるよ」


「へ……!?」


「っつーことで、初めての彼女にしてやる」


か、彼女……!?


「い、いいの!?」


「“いい”じゃなくて、お前じゃなきゃダメ」


嬉しくて思わず笑みがこぼれた。