公園の前に取り残された俺と由愛。


「わ、私1人で帰れるからっ!!じゃあね!!」


由愛は1人で帰ろうとする。
俺はその手首をつかんだ。


「送る」


「え、でも……」


「ただの暇つぶしだから」


本当は暇つぶしなんかじゃない。
由愛と帰りたいんだ……。


まぁ、そんなこと言えねぇーけど。



「……ねぇ、翔希君」


由愛は下を向いて言った。



「ん?」


どうしたんだ……?


「翔希君、好きな子がいるって言ってたよね?」


「あ、あぁ……」


由愛の声は震えていて、何を考えているのか全くわからない。