大希君に言われた通り、階段を上ってすぐ左の部屋の前に立つ。


「ここ、だよね……」


おそるおそる、扉をノックする。


すると、


「何ー」


と、翔希君の声が聞こえた。


「ゆ、由愛だけど、入るよ!!」


私は翔希君の返事を聞かずにドアを開けた。


「ちょ、お前なんでいんだよ」


翔希君はベットの上に座って雑誌を読んでいた。


なんだ、思ったより元気じゃん。


「お見舞いに来てあげたの!感謝してよね」


さっき買った抹茶アイスを渡す。


「抹茶アイスじゃん!!さんきゅ」


翔希君は嬉しそうに抹茶アイスを食べ始めた。