「そっか。すっごく恥ずかしかったけど……ああすることしか思いつかなかったから……」
頬を赤らめながら照れくさそうに笑う。
「ほんと、ありがとう!!」
「さ、科学館に行こっか」
「うん!」
大希君が自然に私の手を取った。
そして、手をつなぎながら歩き出したとき。
「あ、大希君っ!」
背後から女の子の声が聞こえて、慌てて手を離す。
振り返ると、同じクラスの澤田音羽(さわだおとは)ちゃんがいた。
音羽ちゃんはふわふわした雰囲気の、天使みたいな女の子。
男子から人気でモテモテらしい。
私もこんな女の子になりたいなーって憧れたり。
「こんなとこで会うなんて奇遇だねっ!由愛ちゃんも!」
音羽ちゃんは私に鋭い視線を向けた。
「う、うん」
音羽ちゃんが大希君に向ける目を見たらすぐにわかった。
音羽ちゃんは……大希君が好きなんだ。



