キーンコーン―――


「……あ、授業の準備しないと!」


大希君は顔を隠しながら、自分の席に戻っていった。


「………大丈夫、かな?」


私は心配しながら自分の席に着いた。


「大希君、大丈夫?」


隣の席の大希君に話しかけると、体がビクンと跳ねた。


そ、そんなに驚かなくても……。


「だ、大丈夫!」


「ね、熱でもあるんじゃ……」


翔希君の風邪がうつっちゃったのかも!!


「ま、マジで大丈夫だからっ」


「そ、そっか」



本人が大丈夫っていうなら大丈夫、だよね?


それから、挙動不審な大希君を心の中で心配しながら、午後の授業を終えた。